イギリスのロンドン自然史博物館が主催する「野生生物写真コンテスト」(Wildlife Photographer of the Year)が今年も開催され、最終選考に残った作品が公開されている。
1. 漁船のニシンを狙うシャチ (ノルウェー)
(c) Audun Rikardsen
移動するニシンの群れを発見するシャチやクジラの性質を利用し、彼らを追うノルウェーの漁船。だが近年では逆に漁船の網にかかったニシンを目当てにする大きなオスのシャチがいる。お互いに助け合う関係ともいえるが、危うい側面があることも否めない。 photo:Audun Rikardsen2. おせっかいななお隣さん (イギリス)
(c) Sam Hobson
イギリスではキツネの都市と呼ばれるほど有名なブリストルの郊外の路上で、壁の上に仕掛けておいたカメラに写ったキツネ。まるでお隣さんのことが気になって、いてもたってもいられない隣人のようなアカギツネの好奇心旺盛な性質を伝える作品に仕上がった。 photo:サム・ホブソン3. センザンコウで遊ぶ (ニュージーランド/南アフリカ)
(c) Lance van de Vyver
数時間にわたり追跡していたライオンの群れが、ふと水たまりに立ち止まった。のどの渇きを癒すのかと思ったが、彼らが目に留めたのはサバンナセンザンコウだった。鎧のようなうろこで守られたセンザンコウは、ライオンでも歯が立たないほどの頑丈なボールに姿を変える。 photo:ランス・ヴァンデヴィヴァー4. 消える魚 (スペイン)
(c) Lago Leonardo
ユーモラスな顔つきをしたシロガネアジはカモフラージュの達人でもある。近年の研究では、彼らは捕食者や獲物からはほぼ消えたように見える偏光を反射するため、皮膚細胞の中の特殊な血小板を使う可能性があるとも言われている。その血小板は単なる鏡の反射よりも優秀で、太陽の角度や魚に応じて偏光を散乱ささせる。 photo:ラゴ・レオナルド5. 高炉 (フランス)
(c) Alexandre Hec
ハワイのキラウエア火山の溶岩が海に流れ込む様子は壮観だ。1983年から絶えず噴火をし続けているこの火山は世界で最も活発といわれており、1000度を越える灼熱の溶岩が海に入ると、激しい音と共に蒸気が立ち上り、塩分が高い酸性の霧や雨が生まれる。 photo:アレクサンドル・ヘック6. 精密な制御 (スペイン)
(c) Mario Cea Sanchez
スペインのサラマンカでは廃屋に住み着き、毎晩狩りに出かけるコウモリがいる。30頭ほどの群れを成すコウモリは一晩で一頭当たり3,000匹もの昆虫を食べる。彼らの飛び方は高速だがぎくしゃくとしているのは、闇の中で超音波を操りながら獲物を探し出しているためだろう。 photo:マリオ・セア・サンチェス7. シロアリ投げ (南アフリカ)
(c) Willem Kruger
巨大な鉗子のようなくちばしの先端を使い、シロアリを投げ上げては飲み込むミナミキバシコサイチョウ。南アフリカのカラハリトランスフロンティア公園に止まっていた車の横で食事をしていたところを撮影。つまみ食いに夢中になっていたようだ。 photo:ウィレム・クルガー8. 黄金の面影 (インド)
(c) Dhyey Shah
インドやブータンの森で暮らすゴールデンラングールは、野生における成獣の数は2500頭を切り、絶滅の危機に瀕している。樹上で暮らす彼らの観察は非常に困難だが、インドのアッサムの川にある小さな人工島ウマナンダにある寺院では確実に見ることが可能だ。実際、現地でボートに乗った途端に木に登るゴールデンラングールの姿をとらえることができた。 photo:Dhyey Shah9. 星空の下の群れ (ハンガリー)
(c) Imre Potyo
星空の下、ハンガリーのラーバ川の上で混沌とした群れを作るカゲロウたちの幻想的な姿をとらえた一枚。毎年7月から8月の間の数日ドナウ川の支流から幼虫から成虫になったカゲロウたちが大量に現れる。この時は日没直後で、水面近くで群れて交尾を終えたカゲロウのうち、メスだけが高い場所に移動する様子を見ることができた。 photo:Imre Potyo10. アザミ採集機 (イギリス)
(c) Isaac Aylward
紫色のヤグルマギクと草原を背景に、赤い羽の色が印象的なムネアカヒワがたたずむという絵画のような風景。彼はブルガリアのリラ山脈でハイキングをしながら、アザミの羽をついばむムネアカヒワの姿を待ち続け、ついにその姿をカメラに収めた。 photo:イサック・エイルウォード11. 集団求愛 (オーストラリア)
(c) Scott Portelli
南オーストラリア州のアッパースペンサー湾の浅瀬では毎年冬になると、一生に一度きりの産卵に集まるオーストラリアコウイカが見られる。オスは産卵に適したメスを巡り争い、メスを引き付けるため体の色や質感を変化させる。体長1mにもなる世界最大のコウイカたちの争いは熾烈で、オスの数はメスの10倍を上回るほどだという。 photo:スコット・ポーテリこれらの写真が鑑賞できる第52回野生生物写真展は10月21日よりロンドン自然史博物館で開催される。
via:ufunk、dpreview・translated byいぶりがっこ / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ふん、大したことないな、俺だってこんな写真 カネと暇と体力と根気とセンスと知識と運と機材の知識があれば撮れるよ、は〜、、、
2. 匿名処理班
先生! 一人だけ野生の雄々しさに欠けているのがいます!
3. 匿名処理班
>5. 高炉 (フランス)
野生生物・・・?
地球も大きな生物でその生命活動とかそういう意味なんだろうか・・・
4. 匿名処理班
どれも凄い。
機材がどうのより、これだけ自然をあるがままに撮っているのは撮影者自身が自然そのものになっているからだろうな。
狐が夫婦喧嘩覗き見しているようで可愛い♥
5. 匿名処理班
4番はなんかCGアートよりアートだな。
不思議美しい・・・
6. 匿名処理班
センザンコウってもしかしてライオンさんのおもちゃになってしまったのかw
ライオンのじゃれてるとこって可愛いだろうなあwwww
7. 匿名処理班
気取った構図の写真が多くてイマイチだなあ
8. 匿名処理班
サムネ(2)がどうも作り物にしか見えない
9. 匿名処理班
消える魚に一番感動した。初めて知ったよこんなの。
10. 匿名処理班
ガイア(野生生物)
11. 匿名処理班
シャチのやつコワすぎ
12. 匿名処理班
このキツネを隣に座らせて一緒に映画見たい
人間みたいな反応しそう
13. 匿名処理班
一番身体を張ったのは、間違いなくセンザンコウだな
14. 匿名処理班
>>12
見るとしたらズートピアだな
15. 匿名処理班
おさかなさんしゅごい
16. 匿名処理班
センザンコウとライオンは動画で撮るべきだった
17. 匿名処理班
キツネの写真は盗撮的な雰囲気が満載でドラマがあっていいと思った
18. 匿名処理班
4と11優勝。
19. 匿名処理班
4はリアルのエッシャーかよ
20. 匿名処理班
クオリティ高すぎ
カメラの知識なきゃ無理だろこれ
21. 匿名処理班
どれもこれもクオリティ高いよね
正直、ナショナルジオグラフィックや他の自然系の写真展より飛び抜けてクオリティが高いと感じた
いつもこの大会ってこんなにレベルが高いの?だとしたらすごいね
22. 匿名処理班
キツネ「あっ!隣の奥さん浮気してるわ!しかも相手は3軒隣の旦那さん!w」