道路でひかれ横たわっていた猫を目撃したトラックの運転手、このまま立ち去るには忍びないと戻ってみたところ・・・

　これもある意味運命の糸で結ばれていたということなのだろうか？カナダ、ブリティッシュコロンビア州での出来事だ。その日は激しく雨が降っていた。トラックを運転していたデニス・マクドナルドは、路上で横たわっている黒い猫を見た。

　ひかれてしまったのだろう。かわいそうにと思いその横を通り過ぎていったが、なにやら胸騒ぎがする。このまま通り過ぎてしまっていいのか？何かやれることがあるんじゃないか？

　直感にも似たその思いを信じて猫が横たわっていた場所へと戻っていったデニスは、猫の心臓の音を確認した。「まだ生きている！」 　弱々しいながらも心音が聴こえてきた。猫はまだ生きようとしていたのだ。

　デニスはこの猫をそっと拾い上げ、トラックに乗せて動物病院へと向かった。 　この黒猫はまだ生きたかったのだ。頭蓋骨が損傷し、鼻もつぶれ、アゴもずれてしまっていたが、病院での治療を受け、一命をとりとめた。 　病院で検査したところ、猫の耳に認証番号のTATOOが入っていることがわかった。すぐさまその番号を照合し、飼い主に連絡を取った。

　ところが飼い主は、「引き取りにいけないのでそちらに任せる」と言って電話を切ってしまったのだ。保険のない動物の治療費は高額だ。お金に余裕がなかったのかもしれない。だが、その言葉にデニスはショックを受けた。 　縁があって自分が救った命。そう考えたデニスは治療費を負担し、自分が引き取ることを決意した。この黒猫にBB-8と名付け、元気になるまでお金が尽きるまで、共に添い遂げようと誓ったのだ。

　BB-8はその後、何度も手術が必要となった。

　その都度お金を工面して病院に連れていった。 　看病の末、元気になってきたBB-8

　自分がデニスに救われたことがわかっているのだろうか？すごくデニスに甘えてくる。デニスもそんなBB-8にゾッコンだ。 　驚異的な回復力でBB-8は元気になった。

　デニスの家には他にも先住猫が2匹いるがBB-8を受け入れてくれたようだ。 　常にデニスのそばを離れないというBB-8。だがまだBB-8は完全ではない。今後も手術をしなければならないが、心の手術は完了したようだ。 　今では普通に動けるようになったBB-8。深い愛情とあきらめない気持ちがあれば、命を救うことができる。デニスはそう確信したという。 　飼い主には見放されてしまったBB-8だが、あの日あの時あの場所でデニスと巡り合ったのは、まさに運命のなせる業といったところだろうか。 Roadside rescue: trucker adopts cat left for dead
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