動物の中には本能的に困っているものを助けようととっさに体が動くものがいる。科学的にも一部の動物には感情が備わっていることがわかってきた。「犬は人間の最良の友」と言われるが、犬はもちろん、さまざまな動物が我々人間をそれぞれのやり方で助けてくれている。なかでもその勇気と献身がヒーローとして称えられた、10の動物をご紹介しよう。
10. 窒息状態になった飼い主を助けた犬のトビー
2007年、米メリーランド州のデビー・パークハーストさんは、愛犬トビー(ゴールデンレトリバー/オス)の目の前でリンゴを食べている最中に喉をつまらせた。慌てて自分で胸を叩いたが、効果はなし。すると、トビーが前足でデビーさんの肩を押さえつけて仰向けに寝かせ、彼女の胸の上でジャンプを始めた。喉につまっていたリンゴのかけらは無事に吐き出され、トビーはそのままデビーさんが気を失わないように彼女の顔をしばらく舐めていたという。デビーさんは「トビーがハイムリック法を行ってくれた」と語っている。
9. 強盗たちを蹴散らした猫のアンシュキンズ
2007年、脊椎を損傷して車椅子生活を送る米ロサンゼルスのピーター・チョイスさんは、ノートパソコンを膝に置き、隣家の私道で作業をしていた。傍らには、愛猫アンシュキンズもいた。そこに突然白い車に乗った2人組の男が現れ、ピーターさんに殴りかかり、パソコンを奪い取ろうとした。猫のアンシュキンズはすかさず男たちに飛びかかり、顔をひっかくなどして猛反撃。男たちがひるんだ隙に、ピーターさんは相手の急所にパンチを入れることに成功し、2人組を撃退した。
Cat Tries To Save Owner From Attempted Theft
8. 電話で救急車を呼んだ犬のベル
米フロリダ州に住むケヴィン・ウィーヴァーさんには、糖尿病の持病があり、しばしば低血糖発作を起こす傾向があった。そこで飼い犬のベルに、緊急時に助けを求めることができるように特別な訓練を施していた。その訓練の甲斐あって2006年、低血糖発作で意識を失ったケヴィンさんを見つけたベルは、救急電話番号が登録されていた携帯電話の「9」のボタンを歯で押して救急車を呼んだ。訓練の結果、ベルには飼い主を舐めて低血糖かどうかを判断し、前足で叩いて警告の合図をする能力が備わっていたという。
7. 犬に襲われている少年を捨身の攻撃で救った猫のタラ
まだ記憶に新しいヒーロー猫のタラは今年5月、大きな犬に襲われていた4歳の少年を体当たりで救い出して世界的に有名になった。その勇姿は、一部始終をおさめた監視カメラの映像とともに大きく報道された。米カリフォルニア州に住むジェレミー君はその日、自宅の前でひとりで遊んでいたところを突然現れた近所の犬に襲われ、脚を噛まれて引きずり回された。そこに目にもとまらぬ速さで飛び込んできたのが、ジェレミー君の家で飼われているタラだ。タラは全身で犬に体当たりをして、ひるんだ犬を追い払い、それを見届けるとすぐにきびすを返してジェレミー君のもとに駆け寄った。
犬に襲われていた男の子、飼い猫が犬に全力でアタック。男の子を救い出す(アメリカ)
6. 911テロで多くの人を救った盲導犬ローゼル
盲導犬のローゼル(ラブラドールレトリバー/メス)は、2001年9月11日、世界貿易センタービルのツインタワー北棟78階にいた飼い主のマイケル・ヒングソンさんを含む大勢のビジネスマンを救った。ハイジャックされたアメリカン航空機が突っ込んだ北棟では、誰もがパニック状態にあった。しかし、生まれつき全盲のマイケルさんは、階段を降りるよう促すローゼルのおかげで、落ち着きを取り戻した。やがて多くの人が先導するローゼルの後に続き、1時間かけて無事にビルの外へと避難した。
5. 海で遭難した人を助けたイルカの群れ
見ず知らずの人間を救ってくれる動物もいる。2008年12月、フィリピンのパラワン島沖で漁に出ていたロニー・ダバルさんの漁船が転覆した。体を預けるものは発泡スチロールの板しかなく、冷たい水の中を何時間も漂流するうちに、ロニーさんは意識を失いかけた。そのとき、約30頭のイルカの群れが現れ、ロニーさんを取り囲むと、その体を軽く押すようにしながら陸を目指して進んだ。翌朝、浜辺で目を覚ましたロニーさんは、イルカに囲まれているあいだじゅう、幻覚を見ていると思っていたと明かした。
4.水族館の見習い飼育員を助けたシロイルカ
2009年、中国のハルビンにある北極をテーマにした施設「ポーラーランド」で、水族館の調教師採用試験の一環として、フリーダイビングコンテストが開催された。応募者のひとり、ヤン・ユンさんはダイビング中に脚がつり、身動きが取れずに底に沈み始めた。しかしそのとき、同じ水槽内にいたシロイルカのミラが、ヤンさんの苦痛を察し、彼女の体を水面まで押し上げてくれた。
3.溺れていた男性を救った犬のラブ
2005年8月にアメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーナ。その混乱のさなか、皮肉なことに同じくカトリーナの名を持つ1匹の黒ラブ(ラブラドールレトリバー/メス)が、溺れかけていたニューオーリンズの男性を水から引っ張り上げて救出した。男性の話はテレビニュースで放送され、その後すぐにレスキューチームが現場に向かい、カトリーナも無事に救出された。
2. 動物園のオリに落ちた男の子を救ったゴリラ
1996年、米シカゴのブルックフィールド動物園に遊びに来ていた3歳の男の子が、フェンスを乗り越え、誤って6メートル下のゴリラの飼育場に転落するという事故があった。そのとき、ぐったりとして動かなくなった男の子を優しく抱き上げ、ほかのゴリラから守るようにして飼育員のところまで運んでいったのが、当時8歳のメスのゴリラ、ビンティ・ジュアだった。男の子はすぐに病院に搬送され、その後すっかり回復した。
動物園のゴリラが人間の子どもを救う瞬間の映像
1. 飼い主をオートバイから守る為飛び込んでいった犬のカバン
2011年末、フィリピン南部の飼い犬だったカバンは、飼い主の幼い娘とその友だちの少女を、猛スピードで突っ込んできたオートバイから守ろうとしてはねられた。顔面の半分を失う大けがをしたカバンはその後、アメリカで数カ月にわたる治療に耐えて顔面再建手術を施され、2013年にヒーロー犬としてフィリピンに帰還した。
Kabang the hero dog is ready to return to the Philippines
via:therichest・原文翻訳:mallika
▼あわせて読みたい
お腹を空かした動物たちの為、3年間毎日、自分がもらった餌を口にくわえて運び続ける犬(ブラジル)
動物が他者に見せる愛情。15の愛情物語
障害のある男の子のそばに寄り添い片時も離れない犬
感動の再会、犬は自分を助けてくれた人のことを忘れない
献身的な犬の愛情、洪水で水浸しの道路で、飼い主が乗る車いすを押す犬
コメント
1. 匿名処理班
お風呂場で意識を失って溺れそうになった飼い主の下に潜り込んで、必死に息が出来るように位置を確保し続けたワンコとか、夜中に暖房が切れて低体温症になりかけたご主人に寄り添って温め続けたワンコとか、動物が助けてくれる話って結構多いよね
イルカだけじゃなくて、シャチも海でおぼれかかった人を助けたって話を聞いたことあるし
2. 匿名処理班
1のワンちゃん、上顎が無くても全然気にしてないな
美味しいご飯食べられるのかだけ心配だ
3. 匿名処理班
イルカは海中を漂う物体を見るとなんでも水面に運ぶ傾向があるらしい。赤ちゃんイルカを手助けする行動が遊びになったんだろうな。
4. 匿名処理班
こういうのを見ると、人類の進歩という言葉に片手落ちだとしても疑問を感じてしまう。脈々と変わらず受け継がれていく彼らが見せる愛情のほうが、たとえばスマフォより何千倍も貴重で優れている。
5. 匿名処理班
尊敬する
6. 匿名処理班
関係ないけど、横でテレビみていた家犬に冗談で靴下とってって言ったら一メートルほど離れた靴下を取りに行って自分の前に置いたときは少し怖かった
7. 匿名処理班
「ブラックジャック」の、あのエピソードを思い出す…
8. 匿名処理班
美しい物語…
9. 匿名処理班
動物と暮らして分かったことがある。一回友達になったら絶対に裏切らない。
仮に人間が裏切っても。(俺はそうならんよう努めたつもりだが)
10. 匿名処理班
「本当に大切なものは目には見えないんだよ」(星の王子さま)
11. 匿名処理班
人間て簡単に裏切るよね
動物はそれがない
きちんと接すればちゃんと返してくれる
ベッドから落ちた赤ちゃんを、
犬が丸まって暖めてたから低体温にならず助かったって書き込みも見たよ
12. 匿名処理班
うちのワンコには、何かあった時は、オイラのことは
助けんでもいいから、あんたは危なくない所へ
ちゃんと逃げなさいよといつも言ってある。
13. 匿名処理班
動物たちの純粋で見返りを求めない気持ちを思うと
なんか涙出てくる
14. 匿名処理班
※13
裏切るほどの知能が無いからって言う奴もいるけど
それが生きものとして正しい姿だと思う。
人の抱く小賢しい悪意も善意も
鏡のように変わらず反射させるからこそ
正しく有れない人間には得るものが大きい、だから尊い。
15. 匿名処理班
だめだ、この記事読んでるだけで涙が滲んでくる。
歳かなぁ。
16. 匿名処理班
犬も猫も賢いなぁ
どの動物も愛されてる子は目が優しい
17. 匿名処理班
次は人間の番だ
18. 匿名処理班
飼っているワンコの前で突然倒れたフリをしてみせた人は結構いると思う。
俺も子供のころやってみた。
結果?
、、、、まあ、おバカなワンコも可愛いもんだ!
でも、きっと本当のピンチの時には助けてくれたはずとちょっと信じてる。
19. 匿名処理班
イルカて人と同じくらい知能あるらしいが、人の方が100倍凶暴だ。イルカは環境破壊もしないし。
ゴリラも猿の中では一番平和的。犬猫も凶暴な時もあるけど助けてくれたり。
人も助けてくれることもあるが、びっくりする程凶悪なやつも。人は育ち次第なのか。
20. 匿名処理班
おい、奈井江のジュニア君が載ってないぞ!
21. 匿名処理班
飼い犬のまえで何度も死んだふり、苦しんで倒れたふりしたけど遊びだってバレていつも顔舐められたり昼寝続行されたりしてたけど、泥酔して帰ってきた時に滑ってうつ伏せに転んだまま爆睡してたら犬の必死な吠え声で目が覚めた。
心配かけてごめんねえ(´;ω;`) 酔っ払うと怪我してても何でも、場所を問わず寝てしまうの悪いくせだね。。。
22. 匿名処理班
※20
汗の臭いの違いとかで本当に危険かわかるらしい
彼らには寝転んでいるようにしか見えなかっただろう
23. 匿名処理班
鳥も心配してくれるよ。
病気で寝込んでると、ご飯も食べずにずっと頭のそばで窓の側を向いてついていてくれるんだ。どうやら外敵から守ってくれているらしい。
私が目を覚ますと顔に駆け寄って頬の産毛を毛繕いしくれる。ジーンとする(;つД`)
24. 匿名処理班
賢くて優しくて果敢、か
なんか泣くなぁ
25. 匿名処理班
こういう話たちにはどうしても涙が出てしまう。
うちの愛犬は、こちらが「痛い」と小声でも呟こうものなら、すぐに駆けつけてきて心配げに舐め回してくれる。逆に、こちらは愛犬が痛いときも本当に察しが鈍いんだよな。申し訳なさすぎてならない。
1の顔を半分なくしちゃった子は、舌とか乾かないのか心配だな。小さい身体で愛も勇気も十分すぎるほど持っていて尊敬する。飼い主さんはこれからも溢れんばかりの愛情を返してあげ続けてほしい。
26. ルンペルシュテルツキン
※25
ええ話や…
毛繕いのお返しを是非してあげてね。
カバンちゃんもすてきだ。
動物の美談は心に響くよ。
27. 匿名処理班
上あごがない犬見て凄く胸が痛くなった・・・・・・・
あのわんちゃんがずっと幸せに生きてくれますように。
28. 匿名処理班
ずっとがまんしてたのに
顔半分を失った子の顔を見たら泣いてしまった
29. 匿名処理班
この動物達の行動を見ると胸が温かくなる
理屈なんてものは抜きにして、生き物が持ってる優しさや尊さを信じたくなるね
30. 匿名処理班
※2
カバン(カバングとも表記)は上マズルは失ってしまったけれど、幸運にもちょっとだけほっぺたが残っているおかげで現在は少しは物を咥えられるようになったよ。
でもボウルに入っていない食べ物は食べるのが苦手みたい。ほっぺと舌を器用に使って食事します。
事故後仔犬を生んで立派に育てたんだから、これもすごいことです。
31. 匿名処理班
※14
ワンコは絶対に納得してないと思うぞ
気持ちはすっごくよくわかるけどねw
32. 匿名処理班
う・・・うちの猫は助けてくれるかなあ。
それを望んでいる訳ではないけど、なんか考えてしまうね。
もうお婆ちゃんだし、臆病な子だから事故とかにあわないようにのんびり生きてくれればそれでいいけどね。
33. 匿名処理班
1のは上の写真だけ見てると、目つきの悪いチワワに見えるな。
34. 匿名処理班
良い話だな
ただ※19
イルカの事をもっと勉強するのをお奨めする
35. 匿名処理班
8. 電話で救急車を呼んだ犬のベル
命を救ったことへの表彰式か何かの写真だと思うけど
犬のどうでもよさそうな顔www
36. 匿名処理班
※26
その上、可愛い
子供の頃に飼ってた猫は、愛想のない、そっけなくてつれない猫だったけど
親に叱られて、部屋で一人メソメソしてると
必ず部屋に入って来て、こちらが部屋から出るまで側でじっと丸くなってたな
普段は構われるのを鬱陶しがって、絶対に子供部屋には入って来なかったくせにw
37. 匿名処理班
上顎がないと常に口腔内剥き出しだから、乾燥やそれによる他疾患が心配になるな。
この状態でかなり綺麗にしたのだろうが、喪失部分を再建できるようになるといいんだけれど。
米国→フィリピン間を移動したと聞いて、航空機での移動だとしたらマズルないのに熱中症は大丈夫だったんだろうか?と心配になったw
どうか天寿を全うされますように。。
38. 匿名処理班
※34
横槍だが、最新の知見の鯨類学を拝見することをオススメする。
39. 匿名処理班
何年か前にTVで水泳選手が海で特訓している時に監督の乗ったボートに纏わりついて遊んでいたイルカが水泳選手に近寄ってきた鮫を撃退したのを見た事があるなぁ。
あれって「私たちが守らなきゃ!」って思って助けたのかな。
40. 匿名処理班
7の写真は事件の後かな? 男の子がタラになついてるww
41. 匿名処理班
ハイムリック法とか知らないんですけど…
42. 匿名処理班
命を張って、顔の半分を失う怪我まで失ってまで、飼い主達を助ける。人間でもなかなかできない事だと思う。他の子も、全てが幸せな生涯を過ごせるように願っています。