人間がこのまま進化するとフグの口かサメのような歯になる可能性（英研究）

　英サウス・ヨークシャー州、シェフィールド大学の生物学者ガイス・フレイザー博士は、長い寿命と現代の食事が、人間の歯が一回しか抜け替わらないことを非現実的にしているとし、人間の歯はいずれフグのような頑丈なくちばしのように進化するだろうと主張している。あるいは、サメのように永遠に歯が生え変わるようになるかもしれないとも。

　この展望は、歯にトラブルが多い人にとっては朗報かもしれない。

　歯と違って、くちばしはボロボロになったり抜け落ちたりしないからだが、残念なことに、人間の歯がそんなに頑丈なくちばしに進化するのは何百万年も先の話となるだろう。

　フレイザー博士は、一生のうちに限りなく歯が生え変わる生物もいる中、なぜ人間には乳歯と永久歯しかないのか、ということに着目した。例えばサメは、二週間で新しい歯に生え変わる。フグの仲間は、歯代わりのくちばしをつくる物質が常に再生されていて、摩擦による損傷を修復している。

フレイザー博士は、人間の口はフグのように頑丈で実用的なくちばしに進化する可能性があるという。しかし、それにはまだかなりの時間がかかる。 博士は、サメのように生涯ずっと歯が生え変わり続ける細胞を特定した。 　フレイザー博士は、バルセロナでの会議で、この再生物質の細胞を特定したと発表し、それを歯の妖精細胞と名づけた。これが人間に永久歯が生えそろった後でも、歯が成長するための鍵になるという。この秘密の細胞の謎をつきとめたら、人間の口の中にも同じような細胞を埋め込むことができるかもしれない。

　サメの歯が繰り返し生え変わるように、人間も歯を複製できるようになるには、まだまだ時間がかかるが、だめになった歯を修復できるジェルやクリームはもっと早くできるかもしれない。

歯医者に嫌々行くのは、もう過去のことになるかもしれない？　人間は自分の歯を再生させることができるようになる可能性があるという。 ▼あわせて読みたい
人類の進化スピードはさほど速くはなかった。定説の3分の１（カナダ研究）


進化の勝ち組は哺乳類と鳥、負け組はワニ


進化？退化？人類の脳が3万年間で1割減少していることが判明（米研究）


人類はこの後どう進化する？人類の未来を予測した恐ろしい１０のシナリオ