私たち人間は毎日あたりまえのように行動し、泣いたり笑ったり、好きになったり嫌悪したりしているが、それぞれの行動についていちいち頭で考えたことはないだろう。ごく普通の行動も科学的に説明できるものもある。ここではそんな人間、特に欧米人に見られる興味深い10の行動や趣味嗜好を見ていくことにしよう。
10.ブロンド好き
紳士は金髪がお好きというのには、生物学的根拠がある。ブロンドの女性は肌が明るい人が多く、白っぽい色素の肌は体の不調が現われやすい。男性は自分の子孫の健康状態を簡単に見極められるので、ブロンド女性が好きなのだという。とは言えこのデータは海外のものなので、欧米男性に特に当てはまるということなのだろうが。
9.浮気性
不倫をする理由はさまざまだが、心理学的な原因は別とすると、遺伝子の中に文字通り不倫傾向DNAを持っている人はいるという。実際、離婚遺伝子と呼ばれているRS3 334という遺伝子が見つかっている。複数の男女に自分たちの結婚についてのさまざまな質問事項に記入して答えてもらうと、男性がRS3 334を持っている場合、幸せを感じることがなく、家庭内にトラブルを抱えていることが多いという。その遺伝子は、人との結びつきや一夫一婦制に影響を与える化学物質パソプレシンの分泌に影響を与えると考えられている。
8.抱擁
私たちのする多くの行為は、文化に深く根付いていて、どうしてそんなことをするのかわざわざ立ち止まって考えたりしない。誰かを抱きしめる行為も基本的に理由などなく、意図的に結果を考えるものでもない。それを分析しようとするのはおかしいかもしれないが、理由はちゃんと説明できるのだ。
他人を抱きしめてふれあう行為は、オキシトシンという愛着や信頼に影響を与えるホルモンの分泌と関わっている。セックス中の体の触れあいはオキシトシンの放出を促し、子孫を育てるためにふたりがひとつになる目
的のために特に役に立つ。意味深なアイコンタクトや、大盤振る舞い、犬を撫でるなどの行為でも、オキシトシンは分泌される。
7.人見知り
ほとんどの子供が知らない人を怖がる感情は、化学的に説明できる。身近な人と結びつくのに役立つオキシトシンというホルモンが、知らない人を怪しむという作用も及ぼしているからだ。
オキシトシンを吸入した参加者に、グループで協力してゲームをするというテストに参加してもらう。グループはみんな参加者の顔見知りだ。オキシトシンのせいで協力関係は良好だったが、このグループの中に見知らぬ人がいると、効果が落ちるという。これは身内を信用し、他の部族の脅威から自分たちを守らなくてはならなかった先祖の習慣の名残かもしれない。
6.引っ掻く
私たちはしょっちゅう体のどこかを掻いているが、掻くという行為はなにかいいことがあるのだろうか? 引っ掻くというのは正確には痒いということだが、これは体が害のありそうな刺激物や外的な要因を排除しようとする行為だ。
例えばアリが足に這い上がってきたら、その箇所が痒くなって引っ掻き、アリを追い払おうとするだろう。しかし、四六時中虫にたかられているわけでもないのに、どうして私たちはしょっちゅうあちこち掻いているのだろう? 進化論的な見解からすると、危険を及ぼすかもしれないものを引っ掻かないと、後で問題になる可能性があるため、引っ掻くという行為には意味があるのだ。
5.葛藤する
誰かがあなたにチョコレートをくれるという。あなたはそれを食べたいが、一方で太るのも心配だ。あなたは心の中で取引する。明日必ずジムに行けば、今日はチョコレートを食べられると。あなたの脳の中にもうひとりの人間がいて、それと葛藤しているのだ。
全員に当てはまるわけではないが、多くの場合、自分の将来像を考えるのに、もうひとりの自分を引き合いに出すとき、脳の同じ部位が活動している。無意識のうちにあなたは未来の自分は違う人間だと考えているのだ。
4.笑う
脳の笑いをつかさどる部位は、呼吸や言語にも関係していて、笑いはそのもっとも根本的な機能だ。笑いには確かに目的があるが、それはなんだろう?私たちが笑うとき、他者に同じ仲間として信用していることを示し、遊び心があることを伝達するのを目的していると、科学者たちは考えている。だから、笑いは伝染するし、ひとりでいるときはめったに笑わない。
3.夜疲れる
人はたいてい夜眠り、昼目覚める。いったいなにがそれをコントロールしているのだろう? 答えはメラトニンだ。私たちの体は、朝、光にさらされると、さまざまな化学物質やホルモンが分泌されて、昼間の活動を支えるようになっている。夜には逆の理由で同じようなことが起こる。
メラトニンは脳の松果体で作られる眠りを助ける天然ホルモンで、暗くなるとスイッチが入る。メラトニンのレベルは、翌朝、光にさらされる前の約12時間が高く、朝になると減っていく。問題は、松果体は人工的な光を見分けることができないことだ。昼間に真っ暗な部屋にいたり、夜に明るすぎる部屋にいると、体内時計が狂ってしまうのだ。
2.ついカッとなる
どうして私たちはカッとなるのか、疑問に思ったことはないだろうか? 怒りや攻撃性は、自分でコントロールできないと感じているもので、実際に常軌を逸してしまうこともある。小脳扁桃は攻撃性に関わる脳の部位で、ここを損傷すると、好戦的なふるまいが多くなる。扁桃から電気信号を受けた前頭葉が、情報を処理して行動を起こすかどうか決める。身体的外傷や腫瘍や出生異常が原因で、扁桃が損傷すると、この電気信号が激しすぎて、とんでもなく暴力的攻撃的な行動に向かう衝動を引き起こす可能性がある。
1.小児性愛(ペドフィリア)衝動
小児性愛はとうてい受け入れられない人間の性癖だが、身体的に原因が説明できるケースもある。2000年にある既婚男性が突然、ポルノや小児性愛にのめりこむようになり、ひどい頭痛に悩まされた。まもなく彼の脳にあった卵大の腫瘍が、衝動をコントロールする前頭葉を圧迫していたことがわかった。腫瘍を取り除くと、彼の行動は正常にもどり、異常な性衝動も消えたという。
このようなケースはまれだが、ありえる話だ。このような激しい変動はめったに経験するものではないが、あなたは自分の行動をすべて自分の意思でコントロールできるだろうか? それともこれはすべて化学物質のせいなのだろうか?
via:listverse 原文翻訳:konohazuku
ということで、酔うと周りの人に例外なく抱き付いてしまうパルモの場合には、体がオキシトシンを分泌させ、みんなと仲良しになりたいという本能的欲求なんだね。じゃあしょうがないや。うん。
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腸内常在菌が宿主の思考や行動に影響を与えている可能性(協同乳業研究所)
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コメント
1. 匿名処理班
これらは行動原理ではなく、行動なのでは?
あえて行動原理というならば、本能なんじゃないかなあ。
本能という行動原理によって、これらのような行動を起こすということでしょ。
2. 匿名処理班
なるほど、俺の脳にも卵大の腫瘍があるってわけか
3. 匿名処理班
>離婚遺伝子と呼ばれているRS3 334
なんでや!
4. 匿名処理班
俺も子供の頃はヒトミシリンがいっぱい分泌されてたわ
5. 匿名処理班
7の「人見知り」の写真の少女かわいいと思った私は1の「小児性愛衝動」なんでしょうか?
6. 匿名処理班
僕はオキシトシンが出ない病気なんだなということが分かった
7. sby
ワタクシは酔うと
「ありがとう…ありがとう…。」
と誰彼かまわず感謝しまくる感謝上戸でございます
8. 匿名処理班
俺が最後にオキシトシンを分泌させたのは
いつだろうか…
9. 匿名処理班
ヴァソプレッシンが抗利尿ホルモンとしての作用と脳の中の体液が薄まらないようにするっていう作用があるのはわかるんだけど、それがどういうふうに一夫一婦制に影響を与えるんだろ?
10. 匿名処理班
人前では笑ったら負けと思ってるけど
一人の時はニヤニヤしっぱなしの俺
11. 匿名処理班
>酔うと周りの人に例外なく抱き付いてしまうパルモの場合には、
他意はないけどパルモさんと飲みたいなあ!他意はないけど!いやっほう!
12. 匿名処理班
「嗜」好じゃなくね?
確かに「好」きだけどさ、、、、
13. 匿名処理班
卵大の腫瘍かーやばいなー
14. 匿名処理班
行動というから利他的行動とか利己的行動のようなことかと思ったら違った
15. 匿名処理班
ついニカッとなる
16. 匿名処理班
脳内物質の作用や、部位が損傷したりその働きの変化によって人格が左右される。となると人間の心は不変ではなく、ただ機能してるだけにすぎないじゃないか。以前ホーキング博士が「人間の脳はコンピュータと同じで、壊れたらその機能を失って終わり。あの世の世界はない」と言っていたけど、俺もそうとしか思えない。救いの無い話だけどそれが現実なんだろうなぁ
17. 匿名処理班
5の「葛藤する」はまさに、よくアニメなどで表現される「天使と悪魔」ってやつだね´∀`
18. 名無し
実に面白い
19. 匿名処理班
うちの子供に「反抗期とはホルモンバランスの変化だ、そんなものに負けるな」と教えておいた。
結果、反抗期は軽微な物ですんだが、根性が捻じ曲がった気がする・・・。
「自然のままに」が良いのかもしれませんね
20. 匿名処理班
みんな まずはパルモ様にお酒をご用意だ
21. 匿名処理班
実際ペド野郎どもは脳に異常があるんだと思う
22. 匿名処理班
ペドが病気なのではなく、もともと持っていたペド衝動を理性で抑えられなくなったことが病気なのではないでしょうか
23. 匿名処理班
ちょっとMRIで脳を診てもらうか…
でも腫瘍のせいならともかくどんな性癖が異常で病気なのかは線引きが難しすぎる
24. 匿名処理班
なんか、すごく勉強になった!
2.ついカッとなる>・・・そうだったんだ。。
私の頭にも少々傷がついてるのかもしれない。
父の話によれば、生まれた瞬間に産婆が誤ってぽろっと・・
それはもう火がついたように泣いたそうな。
その産婆と言うのは私の祖母でもある。
25. りn
パルモ 一緒に飲もう
26. 匿名処理班
精神科に通って12年になるけど最近オキシトシンの出る瞬間がはっきりわかります。まあ神経症になって30年なんでそれぐらいわからなきゃやってらんないっすよ。
キレると言葉の暴力激しいし、素直に笑っているときはいつも一人だし、葛藤どころか自分の中に防衛の為何人か違う人格作ってるし(面白いのは中に方言使うキャラがいること)、
しょっちゅう体掻いてます、えへへ。
27. 匿名処理班
脳って大事にしなきゃだね。人の頭叩いたりするなよ
28. 匿名処理班
欧米なんかでの相手が銃を持っていないことを確認する抱擁でも
オキシトシンは出るんかな
安全となれば安心はするんだろうけど
29. 匿名処理班
なるほど、浮気するような奴はやっぱ劣化遺伝子なんだな
性犯罪者共と同類視してたけど強ち間違いじゃなかった
30. 匿名処理班
面白かったー(・∀・ )
特にひっかくは、かゆみを止めるためだと思ってたからびっくり。
31. 匿名処理班
2.ついカッとなる
画像チョイスが秀逸だな
32. 匿名処理班
人見知りは他の部族と戦うためなのか!
すっごいポジティブな答えだ
今度からそういうわ
33.
34. 匿名処理班
卵大の腫瘍あるやつワラワラで草